HRM協会 「心の経営」実践フォーラム 12 /1月

第67回「心の経営」実践フォーラムを12月22日10時よりミダス会議室にて開催いたしました。 東海バネ工業株式会社 代表取締役社長 渡辺良機氏をお迎えし、「東海バネの「競争しない」競争戦略」と題してお話しいただきました。

1934年創業の東海バネ工業に、1984年2代目社長として就任されました。先代の社長には娘が3人おられたが、その配偶者が全て社長になりたがらなかったとのこと。そこで先代社長は、渡辺さんに「いままでに一度も赤字決算していない。そして、わが社には優秀な匠の職人がいる。」と口説かれ、当時は渋々引き受けられました。

その後、欧州(ドイツおよびフランス)にバネ工場視察に行った際、以下2つのことをお土産に帰国されました。

1)  ドイツの社長は一定利益をONして、「値引きは一切しない」を実行。

2)  フランスの女性従業員の給与が高く、「仕事に対する正当な評価」をすべき。

その後、会社経営者として、あらゆるコンサルタント、PCメーカー等に上記を実現する会社にすべく相談しましたが、埒が明きませんでした。

ある日、町の小さな酒屋小売店大将からアドバイスを受けました。それは、「うちはこんな小さいお店で、通常小売店の3倍の売上げを達成しています。それは、「システム」を買ってもらっているからや」と。

それから、競合がひしめく「レッドオーシャン」には目もくれず、誰もやりたがらない、小ロット、多品種、手間がかかる「ブルーオーシャン」市場に注目。粗利5割、経常利益も10%を超える優良企業になったということです。つまり「言い値で買ってもらえる企業」となり、年間500名以上の工場見学者が訪れるまでに成長しました。

一人前の職人になるには3~5年かかります。どんなに外部が不況であろうと、雇用調整、助成金に頼ることも一切しません。また、必要な豊富な材料の在庫を抱えながらも「人こそ宝物」であると言い切ります。

そのような経営姿勢が評価され、2004年全国IT活用企業百選最優秀賞、2008年ポーター賞、2009年中小企業IT経営力大賞、2012年には藍綬褒章も受章されています。

詳細は「日本でいちばん大切にしたい会社 4」(坂本光司 同協会会長)にも掲載されています。

次回は1月28日(木)10時から、沢根スプリング社長をお迎えします。

来年もどうぞ一緒に「心の洗濯」を月に一度行いましょう!

一般社団法人HRM協会は、「心の経営」を実践している各界のリーダーをお招きし、混迷している社会に真正面から取り組み新たな道を一緒に静寂な中で考え、実践するフォーラムを開催しております。参加者はテーマにご興味のある方であればどなたでも参加できます。

詳細はFacebookをご覧ください。