「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也」
これは、「旅、俳句」を題材とした著名な紀行文「おくのほそ道」の序文で、日本屈指の俳人松尾芭蕉が300年以上も前に手つかずの自然が残る東北を含む日本の各地を旅した際に書き記したと言われています。
その壮大な自然の美しさは言うまでもないのですが、山形県が広範囲にわたって神秘的かつ歴史的、建築的観点でも驚異の宝庫であることは外国籍観光客にはあまり知られていません。JIコア50コンサルタントメンバーであるアダム・フルフォード氏は2014年以来、山形の中津川地区の魅力を発信するサポーターとして活躍していますが、今回はもっと北部の、日本海沿岸近くの「庄内」エリアを訪れました。
庄内エリアは三方を出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)で囲まれています。その有名な巡礼ルートの一つ「羽黒山」が今回、フルフォード氏が訪れた場所です。この地域の山と密接な関係にある修験道の信徒の方の案内で、杉並木の間を歩き、そこにそびえ立つ国宝五重塔を見上げながら、1400年以上も昔の羽黒山の歴史と意義、そして出羽三山の巡礼全般について多くのことを学びました。
もう一つの旅のハイライトは坂田市にある相馬樓での「舞妓演舞鑑賞」です。
舞妓さんをこれほど近くで見られるのは実に稀な体験で、三味線の伴奏に合わせて短い3つの演目を見られて大変感動しました。建物全体が魅力的で、至る所にフォトジェニックな場所があります。三味線奏者であり、歌い手でもある小鈴さんの案内のおかげで、私もそのいくつかを見ることができました。小鈴さんは舞妓さんの踊りについて解説してくれた時と同様に、この建物の歴史や昔の常連客のことなどを熱心に、そしてわかりやすく説明してくれました。
1893年に建てられた山居倉庫は、現在も一部が米の貯蔵庫として使用されており、観光客に当時の日常の暮らしや、世代を超えて受け継がれる暮らしの知恵を知る機会を与えてくれています。
山居倉庫の見た目の美しさもさることながら、博物館と隣接するショップでは、地域の文化を学ぶことができ、この2箇所を訪れただけで、「庄内」ならではの特徴が明確になりました。それは、米、酒、色鮮やかな工芸品、そして、荷揚げした船を川に引き揚げる男性や、大量の米を背負う女性など、昔の地元の人々の生活がいかに厳しいものであったかを感じさせるものでした。
もしあなたが歴史や自然、伝統工芸、美味しい郷土料理が好きで、日本の心と文化の本物のルーツを経験したいと思っているならば、山形は次の旅行先にぴったりだと思います。
アダム・フルフォード氏は「My Shuraku Nakatsugawa」というオンラインストアを立ち上げました。メープルシロップから地元の副菜にいたるまで、山形県中津川の地元の商品を購入することができます。
こちらからご覧ください:My Shuraku Nakatsugawa